早いもので6月に入りました。皆さんいかがお過ごしですか?
喜界島は梅雨に入りいきなり大型の台風。
そしてこの時期になるとそわそわしだすのがサンゴの産卵です。
そもそもサンゴが産卵するって皆さん知ってましたか?
年に一度、夏前のこの時期に産卵するのです。石や植物とも思われがちなサンゴですが、こうして産卵している姿を見ればサンゴが動物であるということが実感できます。
産卵と言っても厳密には意味が異なります。
話せば長くなりますが、せっかくなので産卵シーズン前に予習をしておきましょう!
サンゴと聞いて頭に思い浮かぶ枝状のサンゴ。
これらはミドリイシという種類のサンゴで、オスとメス両方の性を持つ雌雄同体です。
このミドリイシ達はバンドルという卵と精子が入ったピンク色のカプセルを周りにいる同種のサンゴたちと時間を合わせて海に放ちます。
これがサンゴの産卵です。
バンドルは油分を含んでおり、海に放たれるとゆっくりと浮かび上がります。
そして海面ではじけて波にもまれながら受精してそこでサンゴの赤ちゃんが誕生します。
受精して生まれた赤ちゃんは水中で成長してやがて泳げるようになり、自分が好きな場所を選んで着底します。
そこからは一生をその場所で過ごし成長するのです。
そのほかにも、雌雄異体のサンゴがいたり、一定期間赤ちゃんを育ててから海に放つサンゴの種がいたりと多様性に富んでいるサンゴですが、やはり圧倒的なシーンを見せてくれるのがミドリイシの産卵です。
サンゴの産卵は夜に行われます。
種類によって時間帯が違いますが、早い種類で19時過ぎ、遅い種類だと24時近くに産卵する種もあります。
(もっと遅くにしてる種もあるのかもしれないけど、そんな遅くまで潜ってられない...)
何より面白いのが同じ種類が時間を合わせて一斉に産卵するということ。
一年の中でもたった20分ほどの出来事です。
満月の日に産卵が起こるといわれていますが、実際には種類によってバラバラ。
喜界島のように緯度が高い地域は満月からずれ込んで遅れて産卵する傾向があります。
はっきりした産卵のタイミングは学者の中でもわかってないそうですが、月の光が関係していることはどうやら本当のようです。
産卵する日は、一目瞭然!
特定の種類を狙って時間を合わせてエントリーしてみるとサンゴたちが口元に卵を抱えて産卵の準備をしています。
そのまま根気よく待っていると、最初のバンドルが放たれ、そこからはあたり一面卵に包まれてまるで宇宙に行ったような瞬間が訪れます。(宇宙に行ったことはないから実際はわからないけど...)
サンゴの命のドラマと、地球のパワーを感じられる瞬間。
まさにダイバーの特権であり、そしてダイバーなら一度は見て欲しい瞬間でもあります。
ヨネモリダイビングサービスではこの2年間、さまざまな種類のサンゴの産卵の観察に成功しています。というか、6,7月の夜にかたっぱしから潜り続けて意地でも観察してきた(笑)
だいぶ産卵日の傾向はつかめてきましたが、これだけは自然相手なので何とも言えない。
それでも頑張り続けた人、はたまた運を味方につけた人が見られるこの世の絶景が待っています。
産卵ダイブに挑戦してみたいよ~という方、ぜひお問い合わせください!
※ナイトダイブになるため、一定の経験と受け入れ人数に制限がある場合がございます。
産卵の様子は椛島のインスタにも載せてるのでのぞいてみてね!
KABA
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